Webで入手できる三面図などをトレースし、できるだけ実機のシルエットを保ちつつ、カタパルトグライダーとして飛ばせる
震電を作りました。当初はA4で2ページだったり、ちょっと安定性が悪かったりしましたが、なんとか改良をして、A4一枚で細かな重心調整ができるようなパーツを(たぶん)全て収めることができるようになりました。簡単な説明(英語)がPDF中に書き込んでありますが、以下に日本語で詳細を。
いちおうこの手の紙飛行機に慣れた方を対象としております:初心者の方はできれば二宮先生の「よく飛ぶ紙飛行機」シリーズなどで慣れてからこの震電にチャレンジしてください。
- 前翼は単純構造版(色付きの外装に間に、余白などを利用して余分に2-3枚分厚みを加えるもの)と積層構造版(A-Dを順に重ね合わせた後、色付きの外装をかぶせるもの)を用意しました。
- 胴体は中央部1と1'を張り合わせたのち、左右2-5,2'-5'と番号順に張り合わせください。
- 胴体は曲がらないように充分乾燥させてから、前翼をはめ込む穴を切り出してください。前翼の穴は、あまり大きく開けず、前翼が多少きつめでも上手く中央まで収まるように少しづつ削っていきます。
- 主翼は、まず大まかに切り抜いてから、点線部で折り曲げて上下を張り合わせて、これまた曲がらないように充分乾燥させます。
- 主翼は乾燥後に上面側から切り抜きます。そして中央のグレーの部分と側翼の取り付け部を切りぬいてください。
- その後、主翼のキャンバーと上反角を付けます。二段上反角にする場合は定規などを使って側翼のラインで上反角を減らします(PDF内の図参照)。主翼の形が決まったところで胴体にセメダインCなど少し強度が得られる接着剤で接着します。上反角は...これは皆さんの経験でいろいろ試してみてください:参考までに私のバイブルでもある二宮先生の「よく飛ぶ紙飛行機」シリーズによると、「高翼式よりも低翼式の方が左右の安定がわるくなるので...大きな上反角をつけてやらねばなりません」と15度〜25度との解説があります。
- 主翼は接着剤が乾くまで、キャンバーと上反角がずれてしまわないように注意してください。
- 側翼を主翼と同じ要領で作り、これまたセメダインCなどで固定します。このとき胴体と平行で垂直になるように注意してください。
- 側翼は飛ばしているうちに、ぐらつきが出てくると思います。あとで補強・重心の再調整が面倒な方はここで、とりあえず主翼下側部分だけでも補強版をセメダインCなどで取り付けておきます。
- 側翼が乾いたら、前翼を差し込んだ後(接着はしない)、重心調整を行います。余分な調整用の機首外装部分を利用して、一枚づつ重心位置を確認してください。重心はコックピットの日の丸あたりか少し前よりが良さそうですが、まだ私自身製作時の個体差があるので、これと言う点をまだ見つけていません。
- 前翼の後縁を調整しやすいように、ニッパーなどで深めに切り込みを入れます(PDF参照)。初期状態では予めこの前翼後縁は下に少し曲げておきます。
- 手投げで前翼を調整してうまく飛ぶようになったらカタパルト(ゴムパチンコ)で飛ばしてみてください。高速の方が安定するようです。
- 左右にぶれるときは、胴体および側翼がそれぞれ真っすぐかつ互いに平行になっていることを確認してください。それでも左右にぶれる場合にのみ側翼を少しづづ調整してください:右に曲がる-側翼の後縁を左に曲げる
- 上下方向の調整は前翼で行います。カナード機の前翼の調整は通常機の水平尾翼の調整とは逆なので注意してください:頭上げで失速する-前翼後縁を上げる、下向きにダイブする-前翼後縁を下げる
- 側翼(垂直翼)は飛ばしているうちにぐらつきが出てくるので、補強版を主翼上面/下面どちらか一組で補強して、再度重心の調整を行ってください。(一度に上下面の補強を付けても良いのですが、重心調整でさらに機首におもりが必要となり機体が重くなってしまいますので。)
- 前翼も飛ばしているうちに破損が生じると思います。修復不可能な場合は、余分な前翼パーツに入れ替えてください。(厚みの違いがあると抜けやすい場合があるので、注意してください。)また、このとき重心の再調整も忘れずに。
当然のことながら、飛ばすときは周囲に人がいない場所を選んでください。
今後の予定:
- 次のバージョンでは、ぺーパークラフトとの中間的な位置づけで、このカタパルトグライダーの主翼を立体翼(簡易桁構造入り)にしたものを現在テスト中です。
- ぺーパークラフト版は、いきなり飛べるようしようと考えていたため、構造的にちょっと無理がでてきました。この立体翼版のカタパルトグライダーのノウハウから再構成中です。